初音ミクV4Xで裏声風の調声をする方法!【ボカロ調声】

DTM制作

こんにちは、ネギシャワーPです。
この記事は、ボカロP Advent Calendar 2023の8日目の記事です。


せっかくこちらの企画に参加させていただけたので、
今回の記事では特別にボカロ調声・調教Tipsとして初音ミクV4Xに裏声風で歌ってもらう方法をご紹介したいと思います!


早速どうぞ!

こちらの記事で使用しているエディターは『Piapro Studio for V4X』(ピアプロスタジオ)です。
クロスシンセシス機能が対応していれば他のボカロエディタでも再現できるかと思います。

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準備

まず初めに、初音ミクV4Xの設定を行います。


エディタ上で歌手アイコンをダブルクリックすると歌手リストが表示されるので、「MIKU_V4X_Original」を選択し、右クリックして「歌手パラメータを編集」を選択します。



すると下の画像のように2nd singerを変更できるようになるので、「MIKU_V4X_Dark」を選択し、最後にOKボタンを押してウィンドウを閉じます。これで準備は完了です。


こちらの2nd singerは、後述する「クロスシンセシス」で混ぜ合わせるライブラリになります。
今回は裏声で歌うパートに初音ミクOriginal初音ミクDarkとかけ合わせていきます。



そして今回用意したメロディは自作曲『フルール』から持ってきました。(動画2:00の部分)





まずはどこのメロディを裏声にするのかを決めていきます。
下の音源は歌詞を打ち込んだだけのほぼデフォルトの状態のミクさんです。

デフォルト音源


今回は、この歌詞の「はかない」の「は」の部分、「とぅないと」の部分を裏声風の調声にしていきます。




① Cross Synthesis(クロスシンセシス)の値を調節する

裏声にするノートを決めたら、Cross Synthesis(クロスシンセシス)」のボタンをクリックし裏声にしたいノート部分のパラメータを上げていきます。


先ほど設定した2nd singerは初音ミクDarkなので、このクロスシンセシスの数値は上げれば上げるほど声色が暗く、ハスキーな歌声になっていきます。


音程や歌詞によりますが、裏声風の歌声にする場合は大体50~80の間で調節するのがいいと思います。
(画像では54~52で調節しています)



こちらがクロスシンセシス調節後の音源です。

クロスシンセシス調節後の音源


この時点でだいぶ裏声っぽい歌い方になっていますが、まだ味気ないのでもう少し詰めていきましょう。


② BRE(ブレシネス)の値を調節する

次は「BRE(ブレシネス)」の値を調節していきます。こちらは「息っぽさ」を調節するパラメータで、数値を高くするほどブレスの音が大きくなります。


BREは5~30の間で調節していきます。数値を高くしすぎると声がガサガサになってノイズっぽくなるので注意してください。ただ、あまりに高音域が埋もれてしまうようなオケなら30以上にしてもいいと思います。
(画像では14~15で調節しています)



こちらがBRE調節後の音源です。

BRE調節後の音源


ブレスの音域が前面に出てきて、丁寧に歌っている印象になりました。


③ PIT(ピッチベンド) & PBS(ピッチベンドセンシティビティ)の値を調節する

最後はあまり裏声とは関係ないオマケ程度の話ですが、「PIT(ピッチベンド)」と「PBS(ピッチベンドセンシティビティ」の値を調節します。


まず、PBSの値を10に設定します。PBSはPITの値の変化の大きさを調節するパラメータなのですが、個人的にはこの数値は10に固定するのがPITを調整しやすいと感じています。



PBSの値を固定したら、実際に「PIT」のパラメータで曲線を描いてしゃくりあげの歌い方を再現します。
PITを調整するときだけは滑らかな線を描くためにスナップをオフにすることをお勧めします。


そして下の画像のように、裏声にしたいノートの先頭に「三次関数のグラフ(y=x³-x)」のような曲線を描きます。
曲線の書き終わりが0の値に向かうように、下から上がるように描いてください。

曲線の山の部分を母音の発音タイミングのところに合わせれば自然なしゃくりあげの歌い方になると思います。当然そのタイミングはノートに入力した歌詞やBPMによって全て変わるので、実際に聴きながら曲線の位置を調節していってください。

(上の画像では裏声部分以外にもピッチカーブを描いていますが、これは今回とは関係ない当時の手癖カーブなので気にしないでください)



こちらがPIT調節後の音源です。抑揚がついてアクセントがわかりやすくなることにより、更に丁寧に歌っている感じが出てきました。

PIT調節後の音源


これで今回の調声は完成です。


最後に

今回ご紹介した調声方法の一番の利点としては、とにかく作業時間が短いことです。


裏声風の歌声にするには「声色が暗くてハスキー」であればそう聴こえるので、この方法以外にも「BRE、OPE、DYN、BRI」の4つのパラメータを掛け合わせれば同じような表現ができます。
しかし今回の方法であれば、基本的に2つ(PITを含めれば3つ)だけ調節すればいいので、個人的にはこちらのほうが汎用性が高く時間効率もいいと思っています。(実際、今でもこの調声法を使う機会は多いです)


ちなみに、今回は初音ミクV4Xを例としてご紹介しましたが、クロスシンセシス機能が対応していれば他のボカロでも同じように調声できるかと思います。他のボカロでも「ブレス成分が多めで声色が暗めのライブラリ」と混ぜ合わせるようにしましょう。


そういうわけで、よかったらこちらの方法を試してみてください!



そして最後に、ボカロP Advent Calendar 2023企画参加のお声がけをいただき、今回の記事を書くキッカケを与えていただいたニコニコサポーターズSmileSの方にこの場を借りて感謝申し上げます!

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以上です。
なにかわからないところがあったらぜひコメントやDMでご質問いただけると嬉しいです。そのたびにこのページもわかりやすくなるように更新していきます。
今後ともよろしくお願いします。

コメント

  1. 匿名P より:

    わかりやすい解説ありがとうございます!!!
    また、リクエストなのですが、ミクさんの声作りの解説をして欲しいです!!
    お忙しい中だとは思いますが、是非よろしくお願いします🙇

    • 初めまして!コメントいただきありがとうございます!
      今後もミクさんの調声法をいくつかに分けて紹介していきたいと思うので、よかったら楽しみにしていてください!

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