『透明ロック / 初音ミク・鏡音リン・鏡音レン』を作った感想

日記・雑記


今日公開した新曲です。ぜひご視聴ください。(niconicoには8/5に復活したら公開するつもりです)


そして、今回も作曲の感想文を書いたので、よかったら読んでいってください!


感想文

最近、物語系の作曲にハマりました。「物語系」とは私(と周りの友人)が勝手に言っているジャンルのことで、歌詞やサウンドが物語・舞台の説明だったり、登場人物の心情を表現している音楽を超大まかに括って指しています。
登場人物を想像し世界観のアイデアを先に決めてから作曲に入ると、制作中に新しい表現も取り入れやすいと感じているので、今回の楽曲もその方法で作曲を始めました。

サウンドについて

今回は端からミクさんレンさんリンさんに歌ってもらいたいと思っていたので、彼らのキャラクターとしての魅力から根本となるアイデアを詰めていきました。そこで、『余白マージナル』を作ったときにも感じたのですが、「バーチャルシンガーにこそ相応しい表現」のイメージを、今回でも優先的に選んでいきました。


サウンドにおいては、エレクトロとピアノサウンドからアレンジを作りました。ただ、後からタイトルにもなっている「ロック」の言葉遊びを思いついたので、ロックっぽいギターサウンドも組み込んで、打ち込みらしいサウンドのバランスで制作していきました。


あと、比較的レンさんパートを多めに歌割を作るつもりだったので、彼の綺麗に響く声域を意識してメロディを作りました。そういうわけで、ミクさんは毎回誰かの歌声に音域を合わせることになるのですが、まあこれもソロで歌う曲では出来ないことだとも思う(ミクさんの声域に慣れすぎて、普段の手癖メロディが自明的で狭窄になってしまっていた)ので、そういう点では今回の作曲はかなり新鮮だと思いました。


歌詞について

上記の通り、「バーチャルシンガーのイメージにマッチした」言葉を考えたとき、やはりPCやソフトウェア関連の単語が合うだろうと思い、パソコンの「ロック(鍵をかける)」と、ついでに音楽ジャンルの「ロック」も絡めたタイトルを決められました。そういう流れで歌詞制作も順調に進んでいったので、この作曲では作詞フェーズもめっちゃ楽しかったです。


印象的だったのは、リンさん(V4X)の「a」が母音となる歌詞の歌い方が、ベタ打ち状態でもとても鋭利でクールであることに気づいたことです。なので、リンさんパートはその母音の歌詞を多めにしました。


ミクさんリンさんレンさんの調声について

この3人の中では、レンさんが絶妙な声域に位置していると感じたので、彼を起点に他のお二人の調声も完成させました。以前、『アンサーブレンド』を制作したとき、3人はソフト的にも似たような声の出力になるので、エディタ上では(特にピッチカーブの)パラメータに遊びを持たせて差別化させていました。


それに対して今回は、3人のピッチやビブラートを完全に一致させるパートもいくつか作りました。この機会的に合成されたような歌声は、個人的にはとてもボカロっぽいボーカルなのだと感じます。そういった意味でも表現の幅を増やせたので、めっちゃ大収穫です。


あと、この曲では息継ぎなどのブレスは抑えめにしましたが、フレーズを短く切った歌い方を意識してみたら、シリアスな息遣いを感じるような歌い声だと脳内で補完されたような印象になりました。これも今後の調声で意識していこうと思います。


イラスト、動画について

MVイラストはおやまだやまさんに描いていただきました。とても繊細で爽やかな世界観の絵柄が魅力だと感じていたので、今回この楽曲を描いていただけてめっちゃ嬉しいです。この場を借りて感謝を!


動画は自分で作りました。ピクセルアート風の顔アイコンが主にビジュアル的に浮かんでいたので、そちらもおやまだやまさんに描いていただき、それと一枚絵の組み合わせをAEで再現しました。AEの使い方が未だにわかっていないので、かなり期限ギリギリになってしまいましたが、集中したらちゃんとMVも完成させられました。マジで常にこの集中力を発揮できるようになりたいです。

最後に

この曲を作った感想ですが、最高に楽しかったです。物語の世界観に合わせて作曲し始めましたが、結局は手癖が多めのアレンジと化しました。ただ前向きに捉えるなら、最近の手癖や得意なことを今回の作曲で確認できたとも言えるので、そこも含めて楽しかったです。


あと、この楽曲は「第23回プロセカNEXT(テーマ:ライブで盛り上がる曲)」の応募楽曲として作りました。今年に入ってからは一度採用されたボカロPの人々もどんどん応募を再開しているので、最高に面白くなってきました。まあ張り合い云々以前に、そもそも今の活動上で参加しない理由が微塵もないので、今後もこのコンテストが続く限り応募していきたいです。私の中では、常時開催されているお祭りのような気持ちで楽しんでいます。


リンさんレンさんの楽曲も、これからちょくちょく作っていきたいと思います。
これを読んでいるみんなもこの楽曲を気に入っていただけたら嬉しいです。


―――――――
以上になります。
今後ともよろしくお願いします。

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